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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】
第3章 旅立ちの日に
ほんのり暖かい陽気が続くようになった3月。
今日は北川第一中学校の卒業式だ。
『今日は暖かいね』
「そうだな」
私たちが一緒に登校するとき途中までは並んで歩くけど、目印のポストからは飛雄が普段の歩幅に戻して先に行くという暗黙のルールがあった。
数10メートル先にポストが見えた頃、どうやらうちの男子生徒がそのポストに郵便物を入れているところだった。その男子生徒はこちらをチラッと見て動きを止める。
──やばい、あれ国見くんだ。
私がそう思ったと同時に、飛雄は歩幅を広げた。
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