第9章 “特殊”な私たち
すると清水先輩は、ハッとした顔をして私のことを見た。
「あっ、そうだ鈴木さん」
『はい!』
「もし部活中に何かあった時のために、名前と住所、緊急連絡先を書いてもらう欄が部誌にあるんだけど、先にそこを書いてもらってもいいかな?」
『はい、わかりました!』
清水先輩が部誌を広げて、ここと指をさしてくれた。そこには他の部員の情報ももちろん記載されていた。
『…えっと…鈴木……美里、と』
私は名前を書き終わったところであることを思い出して固まる。
何故なら書こうとした私の住所は、
既にそのページに存在していたから。