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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第8章 決意のスタートライン


第2体育館へ着いて、出入口からこっそりと中を覗き込む。

キュッキュッ、というシューズの音。
ボールが手に当たる音、そして床に弾む音。


懐かしい。


一与さん、聞いて。
私また飛雄のバレーを近くで見られるかもしれないの。




昨日の夜、ネットで調べてみたらどうやら運動部には厳しい審査のようなものがあるらしく、私が入りたいと言っても入部を許可してもらえるかどうかはわからないことが判明した。

そういえば飛雄も最初に言ってたもんな…入部させてもらえなかったって。それなら昨日ちゃんと聞いておくんだった…審査の傾向と対策を。そのサイトに書かれていたのは以下。

運動部はとにかく最初が肝心。
挨拶は腹の底からしっかりと声を出すこと。
基本運動部の挨拶は“こんちわッス”。

もし最初に掴めなければ、そこに居場所はない。


厳しい…厳しすぎる。あの無気力男子のツッキーがどうやって入部をパスしたのか、今になってものすごく気になってきた。



『……ふぅ、』



私は1枚の紙を手にして肩幅に足を開いた。
そして、息を深く吸う。













『こんちわァアアーーーッス!!!!!!』





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