第10章 **10
ロイヤルブルーの遮光カーテンの隙間から日の光が差し込み、私はすっと目を覚ました。
一瞬、ここは何処?
と寝惚けた思考が回ったけれど、昨日からクラウィス様の公爵家に泊まりに来ていた事をぼんやり思い出した。
ここはゲストルームだ。
私は寝心地の良いベッドね中でグッと伸びをして体を起こした。ぐっすり眠れたおかげで体も軽いし、スッキリしていた。
──コンコンコン。
私が起きた所で、丁度メイドが起こしに来たようだ。
「おはようございます。ベアトリーチェ様、起きていらっしゃいますでしょうか?朝の支度に参りました」
「えぇ、入ってちょうだい」
控えめな声と共に、「おはようございます、失礼致します」と入って来たのは、この乙女ゲームの2期の主人公のヒロインであり、公式ならばクラウィス様のお相手のマリーベルだった。
(···え、ちょっと!?)
蜂蜜色の柔らかい金色の髪を後ろでシニヨンにして纏め、宝石のような澄んだルビーのような赤い瞳。
美人と言うよりは可愛らしい風貌に、黒のシックなロング丈のメイドのドレスがしっくりと来ていた。