第7章 **07
「ベアトリーチェが来てくれて嬉しいのはわかるが、エリスは加減と言う物をだな···」
「あらあら、わたくし見ていましたのよ?ベアトリーチェが来るって報告受けた途端、貴方だって書類にインクを落としたではありませんか。···浮かれて」
「···、それは偶然だ」
「もう」っと、小さく頬を膨らませて先を歩くシエル様を追いかけるエリス様の姿は、仲睦まじい夫婦と言うよりかは幼なじみで恋人を追いかけている印象を受けた。
「ぜーんぜん変わってないだろう?」
そんなご両親の間に産まれ、育てられたクラウィス様も穏やかな性格で、時々は子供のような仕草や行動なさるのが、お父様に似た印象だった。
悪戯に笑みを浮かべたクラウィス様は私の手を取り。
「さぁ、私達も行こう」
と、ダイニングルームへと足を運んだ。