第7章 **07
結婚式を挙げるまでは体には触れない。
律儀にもこの条件を守ってくれているクラウィス様だけれど、その他に了承した約束についてはやりたい放題だった。
昼休み、中庭の木下の木陰にて、私はクラウィス様に膝を借している。
「まぁ、あのお2人は本当に仲がよろしいのですね」
「···ベアトリーチェ様が羨ましいですわ。わたくしも彼には甘えて欲しいものです···」
傍から見れば仲の良いカップルがイチャイチャしているようにしか見えないのだろう、私達を見て通り過ぎる生徒達はもう慣れた光景のようで、いつの間にか微笑ましい視線さえこちらに投げかけて来るようになった。
校内や貴族の間では仲睦まじい婚約者同士と言う話しが既に社交界まで広がっていた。
「挙式まで後もう少しだね」
「えぇ、そうですわね」
とは言え、私達はまだ10代からだからか、結婚式を挙げる事に全く実感がわかない。