第4章 **04
「あらあら、らごめんあそばせ?」
「お気になさらず。エリザベス様」
危ない危ない。
ほっぺたが切れそうになった。
今まで悪役令嬢物のゲームや物語を読んで来たせいか、警戒はしていたものの不意打ちで来られると中々···ね?
今回は運良く避けきれたけれど、次はどうなる事やら。
頬に傷が付いたとして、治癒魔法が得意なベアトリーチェならば簡単に治してしまうけれど、問題はこの後だ。
もしもこの話がクラウィス様に知れ渡ったらと考えれば、背筋がゾクッとした。
エリザベスマジで逃げて、超逃げて!
って展開になりかねない。
自衛も大事だけれど、クラウィス様にバレないようにしなくてもならないし。
結婚式が終わるまで学園を休むか···でもそれだと単位が取れないから卒業に響いてしまうし。
学園へ戻っては来たものの、問題は山積みである。