第1章 **01
ぱちっ···。
目が覚めたら、やたら豪華な可愛らしい部屋の、これまた可愛いベッドに寝ていたなんて事、ありませんか?
(知らない天井だ···)
どこぞの物語のパイロットの有名なセリフを、まさか心の中で呟くなんて思いもしなかった。
ここは何処だろうと体を起こせば、視界の両端に写ったのは淡いピンク色の長い髪。
「···!?」
驚いて周辺を見回して見れば、サラサラのピンク色の長い髪(自分の物と思われる)がベッドの上で波打って広がっていた。
これには流石にただ事では無いと、ベッドから飛び降りてこれまたまた豪華なアンティーク調の姿見を見つけて自分の姿を確認した。
「···な、何コレ···」
鏡に写るのは、やたらコスプレの完成度が高い美少女が写っていた。ピンク色の髪に、オレンジ色のタレ目ガチな二重、白いきめ細かな肌に、桜色の唇。
庇護欲をそそられそうだ。
白いシンプルなネグリジェには胸元にリボンが付けられており、下を見ればぽよんと膨らんだ大きめの胸。
そう言えば、声も普段の私とは違う可愛らしい鈴を転がしたような声だ。
「···ど、何処のどちら様?」
私の頭は一気に混乱した。
だけど、この容姿は何処かで見た事のある風貌だった。
何だったかなぁー···。
アニメ?漫画?小説···?
それとも同人か?
鏡の前でうんうんと唸っていると、コンコンと控えめなノック音とともに部屋のドアが開かれた。
「···!?」
「···どちら様、ですか?」