第4章 **04
「ねぇ、ご覧になって!ベアトリーチェ様ではありません?」
「まぁ!確か聖女に毒殺されかけたとお聞きになりましたけれど···」
「回復なされたのね···。クラウィス様かなり心配しておいでで···見ていてこちらまで胸が苦しくなりましたもの」
ざわざわざわ···。
ここは王都にある、名門の貴族達が通う学園でもあり、マナーや勉強の他魔法も必須教科に含まれている。
と、ここまではよくあるテンプレのような設定の学校なのだけれど、ヒロインに毒を盛られて2週間程眠っていたらしい(後から聞いた話である)ベアトリーチェ(私)は、1ヶ月ぶりの登校となり、そして婚約者であるクラウィス様と(初めて)の登校となり、辺りは騒然としていた。
「お二方、あんな仲がよろしかったかしら」
「···!ねぇ、お二人の薬指···エンゲージリングかしらっ!?」
公爵家であるクラウィス様宅の馬車に乗り、エスコートされながら馬車を降りれば、まるでヨーロッパのお城の様な建物と、中庭には噴水が設置されており、私は思わず萎縮してしそうになる。
「さぁ、私の手を掴んで」
クラウィス様は他の生徒達にワザと見せつけるようにエンゲージリングを付けた手を差し出して来た。
思わずドキリと胸が跳ねる。