第3章 **03
「なんだい?私もこのドレスが似合いと思うんだけど」
「そうですね。ただ、このドレスのお色が、クラウィス様の綺麗な銀色の髪みたいだなと思いまして···」
ドレス画をなぞりながら私は呟いた。
「···!」
驚いたように目を丸くするクラウィス様。
「···まぁ!」
途端にざわめいたテーラー達と、伯爵家のメイド達。
テーラーに至っては頬を染めて私達を見ているし、メイドもまたしかり···。
(私、何か変な事言ったかな···?)
「随分、嬉しい事を言ってくれるね?」
「クラウィス様?」
クラウィス様は私の手を取って瞳を細めた。
「クラウィス様、皆が見ています」
「そうだね。残念、また後でリーチェの時間を貰うとするよ」
(···残念?)
「ふふふ、おふたは、随分と仲がよろしいのですね?」
年配のテーラーは、上品そうに笑みを浮かべて私達を微笑ましい笑みで見つめていた。
「·······あぁ、そうだよ」
テーラーの言葉に、クラウィス様が瞳を細めて私を見つめて来た。
「だから彼女の衣裳は一緒に決めたいし、贈りたいんだ。上から下まで、私が決めた物を贈りたい、そう思ったんだよ」
感動をしたのも束の間、クラウィス様激重感情疑惑が発覚した。