第2章 **02
何を今更バレているのならば、素直にゲロってしまった方がいい。と私は素直に話をすると、ずいっと私の目の前に端正な顔を近づけたクラウィス様に悲鳴を上げた。
「うん。確かに馴染んでるね。今やほぼ100%キミの体だよ」
(え、そんなに?)
今でも不思議な感覚だと言うのに、···。
「それでは、婚約破棄ですね?」
「え、何で?」
キョトンとするクラウィス様に、私は首を傾げた。
「何故って、私はベアトリーチェではありませんし···?」
「そうだね。外見以外は、あと性格もリーチェよりは落ち着いてるかな」
ですよね。
ならばここは婚約破棄でしょ。
「それにさっき私がしたキス、私のマーキングが付いているから君が逃げ切れる保証は何処にもないから、とだけ伝えておくよ」
「はいっ!?」
(マーキングって!?)
「今の君、リーチェの性格が私好みだからね」
スッと頬に伸ばされた指先に、私は頬を赤く染めた。
「なっ!」
「ほら、これだけで照れるなんて···普段のリーチェなら跳ね除けてるのに、本当に隙だらけ。でもソコがいい···」
何だろう。
クラウィス様がなんだかちょっと危ない人に思えて来た。