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FICKLENESS NATURE(テニプリ 跡部)

第1章 1




「景吾!あの噂は本当!?」

叶弥 は、跡部の教室に勢いよく飛び込むと。

開口一番にこう言った。




FICKLENESS NATURE




「どうしたんだよ、そんな恐い顔して」

「煩い!宍戸は黙っててっ!」



叶弥 の剣幕に、どうしたものかと声をかけた宍戸は。

叶弥 に思いきり睨まれて苦笑する。

そして、「わかったよ」とその場から離れて行った。

叶弥 は、その姿を見送ると、目の前でけだるそうにしている人物に視線を移した。



「景吾!聞いてるの!?」

「うるせぇな、朝っぱらから」

「なんですってぇ!なんで私がこんなに怒ってるかわかんないわけ!?」

「しるかよ。勝手にわめいてんな」

「んなっ!」



目の前の人物、跡部景吾のその言葉に、 叶弥 は怒りが頂点に達した。

勝手にわめくなですって!?

誰のせいでこうなってると思ってんの!?

毎回毎回、同じ事ばっかり!

いい加減、我慢の限界だわっ。



「景吾、これで何回目?」

「あ?何が」

「一週間前も、知らない子と歩いてたわよね?しかも腕まで組んで」

「・・・・・・」

「その二日前は、うちの学校の子だっけ?」

「・・・だからなんだ」

「景吾は、少しも悪いと思わないのかなぁ?」

「向こうが勝手に寄って来るんだぜ?俺は悪くないだろ」



跡部は、にやりと笑ってぬけぬけとそんなことを言い捨てる。

叶弥 は、もう怒りを通り越して呆れ顔で跡部を見た。

もう分ると思うが。

叶弥 が怒っている原因は、跡部の激しい浮気。

付き合い始めて半年。

その間、跡部が浮気した回数、数えきれない程。

確かに、跡部はモテる。

それはもう、とんでもないくらいに。

まぁ、テニス部をまとめてる立場で、おまけに強いし?

見た目もかなりいい方だから、無理も無いのかもしれないけど?

それでも、あまりにも多すぎる!

叶弥 は心で愚痴ると、自分を煩いハエでも見るかのような跡部に。

ふふん、と鼻で笑って言った。



「景吾がその気なら、私も同じ事させてもらうね?」

「は?お前が?」

「あ、バカにしてるでしょ。私だって、結構告白されてんのよ?」

「はっ。物好きな奴もいるもんだな」




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