第5章 鉢屋三郎の場合。
全く見覚えがない景色に尾形は不安になった。
このままでは入学式に参加出来ずに脱落になってしまう。
そうなると、くノ一になる夢が叶わなくなる。
『うぇぇ〜どうしよう』
鼻をすすりながら泣いていると、「どうしたの?」と1人の少年が尾形の前に来た。
『ふぇ…?』
「あ、君入学前の体験授業の時にいたよね。」
『えっと…』
「雷蔵の姿してるけど、鉢屋三郎です。よろしく。」
正直のところ尾形は不破雷蔵も覚えてなかったため、誰だか分かっていなかった。しかし、同じ忍術学園の人であることは分かり余計に泣いて鉢屋三郎を困惑させた。