第2章 異動?
「それが終わったら、こっちもよろしくね」
「あ、はい」
私は母に送る手紙になんて書こう、なんて考えながらファンレターチェックをしていると、目の前にドサリと沢山の贈り物を置いた先輩が、私にそう声を掛けるなりさっさとどこかに行ってしまった。
私は置かれたファンレターやファンからの贈り物を一つずつチェックしながら、チェック済みの箱に仕舞うという、地道な作業を続けていた。
というのも、私、ドズル社に働いてまだ数ヶ月。機械弄りが好きでドズル社のドの字も知らずにメカニック課に所属していたただの下っ端会社員だったのだが、ある日をきっかけに、私はこうしてファンレターチェック課に手を貸すようになっていた。
それがなぜかというと……。