第13章 おらふくんの守護霊の正体?
それから数日後。
私にも周りにも、これといった騒動もなく忙しく充実した毎日を過ごしていた。
私の「視える」能力はますます鋭くなり、道行く人が人なのか幽霊なのかが分からなくなるくらいあちこちにいるのを無視する日々だった。
そんなある日、ゴリラの守護霊が憑いているあの先輩が、次の動画企画の相談を私としていた。
「アツクラは知ってるよね?」
「……え?」
実は私、ドズル社で働く前はゲーム実況者については全く知らなかった人間である。アツクラというのも全く知らなかったのだ。
「アツクラは二十人で活動している大きなグループみたいなもので……」
と先輩は説明しながら、メンバーのキャラクターが載っている画像を見せてくれた。
そこには色んな個性豊かそうな人たちがおり、その中に一人、人間ではない姿のもいて……。
「あ、このパンダ……!」
「この人のことは知ってた? 可愛いよねぇ」
と話す先輩の言葉を端に、私はおらふくんのそばにいたあのパンダのことを思い出していた。
……おらふくんのそばにいたあの幽霊は、このパンダのデザインにそっくりだ。