第10章 MENさんと守護霊と
その後、私はメッセージアプリを開いてMENさんと連絡を取ってみる。そこで予定を合わせ、十分だけでも会えないかと言ってみる。
勾玉を送るだけなら実際会わなくてもいいのだろうが、白蛇さんいわく直接渡さないと意味がないとか言い始めたので、仕方なかったのだ。
その日連絡が帰ってきたのは夕方頃で、撮影が長引き、そのあとに配信もあるとのことで別の日に会うことになった。
そうして色々と調整している内に、私が仕事で外に出る隙間時間にMENさん宅に訪問することとなった。本当は外で会ってもいいのだが、白蛇さんが何を言い出すか分からないので、とそれとなく伝えるとMENさんも察してくれたのか快諾してくれたのでそこはとても助かった。
私は仕事の道具を持って会社を出た。会社の車に乗り込み、今向かいますと一応連絡をしてMENさんの自宅へ。
MENさんはいつもと変わらない様子で出迎えてくれた。渡したいものがあって、と伝えるとまずは中へとお邪魔させてもらう。
それから改まって、私は包み紙に入れて置いた勾玉を差し出した。
「これは……?」
何も知らないMENさんが不思議そうに勾玉を見て訊ねた。私は正直に白蛇さんから聞いただけのことを答えた。
「MENさんの守護霊さんに、これを買ってきて欲しいと言われまして」