第2章 お話
バレーやバスケのボールが弾かれる
音がしている。部員たちの声も。
ってことはまだ部活中か、にしても
なんで寝たんだっけ…
手が何かに触れる。
人の……手?
もっとよく見るために近寄る。
俺は信じられないことを目撃する。
「し、死んでる……」
そう、死んでる。何故判断できる
か?って?見れば分かるよ……
遺体の体中は火傷だらけ。それも
熱とかではなくて、薬品的な。
側に瓶が転がっている、ラベルに
書いてある薬品名を見る。
“硫酸”
ああ、そうか、僕か。思い出した。
あれから揉め合いになって力じゃ
勝てなかったから…そこにたまたま
あった硫酸を……
となると遺体の正体はあのチャラい
一年坊主。
瓶が反射して自分の顔が映る。
「笑ってる……。」
そう、笑っている。満足気な笑顔だ。
そうだ、僕は憎き奴を殺したのか。
道理で達成感があるはずだ。世の中
の殺人鬼もこういう気分だったのか。
なるほど、理解できる。何故か冷静
になれる。
さて、この遺体をどうしようか。
焼いたらすぐバレる…
そのとき僕は閃いた。
「いいこと思いついた…。」
思いつくやいなや、僕は行動にでた。
遺体をそこらへんにあった解剖する
ときに使うナイフで細かく切り刻む。
服もだ。そうして細かくなった遺体を
排水口に捨てた。
「完璧……。」
事は終わった。
はずだった。嫌に目線を感じる気が
する。恐る恐る振り返る。
そこには
赤髪で頭にゴーグルをつけた人が
ヤンキー座りでこっちをニヤニヤしながら
見ていた。
「見ちゃった、見ちゃった♬
君も今日からゴーグルを付けて
頂こう!」
とこっちに近寄ってくるとゴーグル
を差し伸べてきた。
「誰?ここの学校の人?」
「あー、服のサイズはこんくらいか…
いや、こっちか…」
何だこいつ…
「話し聞いてる?」
「ん?聞いてるさ、バッチリ☆
要するに、何者か、だろ?
単刀直入に言うと、人が犯した罪を
監視するって感じかな?」
……こいつ厨ニ病か?
「わかりやすく。」
「んー、重大な罪を犯した人たちを
集めて未来を変えようじゃないか!
ってこと!まだメンバーは0だけど!
その1人目になってみない?」
なんだ、それ……。まあ、どうせ
つまんない人生だ。少しでも楽しい
道を歩いてみるか。
「いいよ。」