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第13章 能力者。


その頃、魁人たちは。



「はあっ…はあっ……どこに行ったんだよ!」

なかなか見つからなくてイライラしていた。
今までは一緒だったのに。
そう思うと、悲しい気持ちでいっぱいになる。


すると目の前にガタイがいい男が立っていた。
何も言わず、そのまま。

「んだよ、どけよ!」

イライラしている魁人はいつもは出さない口調で言う。どんだけ仲間想いなのかが分かる。

しかし、男はどく気配はない。ずっと仁王立ちのままだ。

「何か言いたいことがあるの?」

と優が聞く。それでも、だんまりだ。
かまっている暇はないので横を通り抜けようとする。

ガシッ


腕を強く掴まれた。

「………班長……が、待ってる……。」
「班長?」

男はコクリと頷く。

「俺…たち…は、班長の……部下で…
葉月…奏…太を、さらった……。」
「な、なんだと!?」

皆の反応が一気に男に向く。

「それは本当か?」

男はまた、コクリと頷く。

「奏太は今どうしてるんですか!?」

男は死んだような目を泳がす。

「おい……死んでるなんて言うんじゃないだろうな?」

と男の肩を魁人が掴むと男はビクッとした。

「ぁ……い、行ったら…分かる…。」
「どこだ!?どこに行けばいい!?」

皆の目が焦っている。もう笑ってはいられないくらいの状況なのだ。

「こっち………。」

と男が走りだす。俺達も続けて走る。
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