第11章 実験。
息を整えてると、
「わあああああ!?」
足元に草が巻き付いていた。上に持ち上げられる。
これはもう知っている。一月だ。
「反応遅いよ〜。」
ニヤニヤしながら言う。息を整えてたんだよ!と言おうとしたがなんとなくやめておいた。
「もう、下がって良いよ。」
と班長が命令する。
「いや、でも…まだあんまり能力使ってな「下がれ。」
「はい………。」
一月が瞬間移動する。
「あいつは、能力の加減がまだ出来ていないからね。もしかしたら君を殺しちゃうかもしれない。」
笑いながら言う。優しいんだか優しくないんだか……。
「んー、君は足の能力はないみたいだね。反応が鈍い。」
「そ、そうですか。」
これでもう全部の実験は終わりか…。
疲れた………。
「いいデータが取れたよ。やっぱり能力持ってたんだ……。ってことは他のやつらもきっと持ってる……。」
悪どい笑みを浮かべて言う。
鳥肌がたった。なるほど、これは怖い。
「……あ、あの。僕はこれからどうすれば……。」
と聞くと班長は顎に手を添え、
「うーん、逃がしてもいいけどここの情報漏らされたら上の人たちから怒られるからなあ。それか能力を上げるか……。そんなのしてもこっちにとくすることはないしねぇ。」
とぶつぶつ呟いている。
「あ、そうだ。殺すことにしよっかな!」