第10章 アジト。
羨ましい…か。この人はそんなに、歳なのだろうか?ってことは…さ、30代とか…!
と考えていると、悟られたのか
「今、失礼なこと考えてない?」
とほんとの笑顔なんだか分かりにくい笑顔で言う。
「な、なにも…!」
「そう。」
あっけなく返事を返される。
「今からいくつか質問するからね。」
といい、紙を着ていた白衣のポケットから取り出す。
おそらく、質問する内容が書かれているのだろう。
「まず、1つ目。能力があると実感しているか。」
「してない…です。」
と答える。
「2つ目、人生の中で目が異様によく見えるなどあったことは?」
「遠くのとこまでは見えない…です。」
「3つ目、人生の中で鼻が異様によかったことは?」
「ないです。」
おそらく、どこに能力があるのか調べているのだろう。
「4つ目、人生の中で耳が異様に聞こえるようになったことは?」
「ないです。」
とたんたんと答える。やがて、すべての質問は終った。
意外に疲れた。
「うーん…変わったとこはなし、か。あ、そうだ。
他の仲間たちの能力があるところを見たり感じたりしたことは?」
「特にないです。」
これでもう終わりか…?すると班長が立ち上がり
「ついておいで。」
と静かに言う。僕は黙って後をついてった。