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第5章 お話4


何日かたったある日。

遺体は見つかった。騒ぎになった。
皆悲しんでいた。

警察が来たが犯人は分からない
らしい。私なんだけど。しかし、
私は彼氏を殺すはずがないという
理由で容疑者から外れた。今さら
だが彼女でよかったと思う。


結局何も分からないまま幕を閉じた。

良かった。とりあえず牢獄行きは
回避したようだ。

一番仲いい女の友達がよく心配して
くれるようになった。彼氏が亡くなっ
て残念だったね。と。
それから私はその友達とよく行動する
ようになった。そしてこの日は体育
があった。だからその友達と一緒に
更衣室へ行った。

ガラッ

更衣室にはまだ誰もいなかった。
早すぎたか。ま、いっかと思って
着替えに取り掛かろうとしたとき、
その友達が急に

「驚かないで聞いて欲しいんだけど…。」
「なに?」
「私ね、性同一性障害みたいなの。
女の子しか愛せない。」

一瞬固まったが、世の中にはたくさん
いるし、おかしいことはない…か、と
思って、そうなんだ。と相槌をうった。

「でね、私…貴方のこと好きみたい。」
「え。」
「引くかもしれないけど、そうなの。」

何て言えばいいか困った。別にこの子
のことは嫌いじゃないし、好き。
だけどそういう目では見てなかった。
だからちゃんと断ることにした。

「気持ちは嬉しいし、引かないよ、
けど…私はそういう目で見れない…
ごめんね。」

と。一瞬その子は悲しそうな顔を
したが、

「じゃあ1回だけキス…しよ?」

と言ってきたのだ。キスしたら
忘れてくれるだろうか。女子だし、
大丈夫だよ…ね。

ちゅっ

1回だけキスをした。

「これでいい?」
「うん、ありがと。」

と言いながらまだ着替えてない
スカートの中に手を入れてきた。

またあの感覚…。女子だけど、
やっぱり駄目だ。

気持悪いしかない。

私はまたその子を殺していた。
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