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第5章 お話4


私は昔から男っぽかった。性同一性
障害とかじゃなくて、ただ単に
フリフリした女っぽい格好が自分には
似合わないと思っていたからだ。

ここは学校。制服はちゃんとスカート
を着用している。これでも結構頑張っ
ている。

そんな俺には彼氏がいた。こんな
私でも好いてくれる優しい彼氏が。
なんで出来たのか自分でもびっくり
だが、幸せだった。

そして今日の放課後。
いつも通り彼氏と帰ろうとしていた。
彼氏の教室に行くと当然だが彼氏が
いて周りの人たちはすでに部活に
行ったり帰ったりしていた。
ってことは2人っきりだ…。そう
思うと顔が熱くなってくる。

彼氏を見ると優しい笑顔でこっちに
おいでと言った。言われたとおり私
は教室に入り彼氏のもとまで行った。
側まで行くと彼氏は私の短い髪を
触った。一瞬ビクッとしたが彼氏
なんだから当たり前か…と思って
我慢した。

そう、私たちはあまりベタベタして
いない。手を繋いだりするのは
ギリギリセーフ。だけどキスとか
それ以上のことは無理だった。私は。

すると髪を触っていた手がどんどん
下に降りていき服の中に侵入して
きた。

「え…っ。」

ぞわぞわして鳥肌がたった。

「いいでしょ?今までずーっと我慢
してたんだから。」

どんどん手が胸のほうに来る。

「ちょっ!!やだっ!!」

もう無理だ。我慢出来ない。
気持ち悪い手の感覚…。

私は彼氏を蹴り飛ばしていた。
彼氏が倒れている間に教室にある
椅子を持ち上げ彼氏目掛けて振り
おろした。何度も、何度も。

幸い、放課後だったから誰も
見ていなかった。だが時間の問題だ。
このままボーッとしていれば教師に
見つかってしまうだろう。
何か方法を見つけなければ…。
とりあえず誰も使っていない教室の
ロッカーに閉まっておいた。
見つかるのは時間の問題だけど。
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