第4章 お話3
真面目。ガリ勉野郎。根暗。
何考えてるか分からない。
いろいろ言われてきました。
言われすぎてもう慣れました。
私はこの世には必要ない人間なのだ
と、どれほど思ったでしょうか。
手首に傷が何個あるのでしょうか。
手首に傷があったって、誰も心配
はせてくれません。これも慣れっこ
です。寂しいとすら、もう思いません。
これが当たり前なのですから。
こんな私でも懐いてくれる人が
いました。それは
弟
です。弟だけは私に懐いてくれました。
しかし、両親はそのことを良くは
思ってないようでした。
何故なら、両親は弟を溺愛してるから
です。弟のほうが、愛嬌があって
愛想もいいし、愛らしい顔をして
います。だから私と弟が一緒にいる
のを見ると引き剥がそうとしてきま
す。それを見るのが私は嫌てす。
だから、私は言ったんです。
「もう、私に構わなくていいですよ。」
と。弟にも敬語です。弟からは男
なのに私って言うんだね。と愛嬌
がある笑顔で言ってました。その
弟は
「えー?やだよ、僕はお兄ちゃんの
ことが大好きだから、離れないよ。」
と言ってくれたんです。嬉しかった
です。涙が出ました。それと同時に
良いお兄ちゃんじゃなくてごめん
なさい。
という気持ちもありました。
心優しい弟がいて良かった。
私は弟を抱きしめました。弟は
わっ、と言いましたがその後に、
ふふっと笑いました。