第6章 合宿開始!
部活動が始まる。
烏養さんからは、とにかく練習、ゲロ吐いてもボールは拾え。らしい。
烏養さんがきてから、練習量は格段に増えてハードになっていく。
あたしたちマネージャーの仕事量も増え、やりがいがある。
ボール出しをする潔子さんの代わりに、ドリンク、タオルの準備。
部員のみんながノルマの本数レシーブを何回で成功させたかメモを取る。
この数が減っていくと、上達してるってことになるんだよね。
何だか書いてて楽しくなる。
忙しない初日を終え、20時前には合宿所へ到着する。
『な、なんかでそう・・・』
「永瀬ちゃん」
『あ、き、潔子さん!そっか、部屋は潔子さんと同じだから心強いです!』
「そのことなんだけどね・・・。私家近いから夜は帰るの」
『!?!?』
そんな、1人部屋?怖すぎない?
だいぶ雰囲気のある合宿所に怯えてしまう。
「もしあれだったら、うちに泊まっていくのでもいいけど・・・」
『い、いえ!大丈夫です!そこまでご迷惑かけるわけにはいかないので!・・・がんばりマス』
潔子さんの家・・・。
気にはなるけど、こんな美人家族に囲まれて数日過ごすなんて緊張しすぎて寝不足になりそう。
と、とりあえず気合いと根性で乗り切ろう・・・。
あたしのテンションとは逆にどの部屋を見ても興奮している翔陽。
部員のみんなが荷物を置いている間に潔子さんと武田先生と夕飯準備をする。
「鈴さん、マネージャーは初めてのはずなのに手際がいいですね」
「ほんと、すごい助かる」
『いやぁ、まぁ。うち共働きなんで、へへっ』
あまり褒められ慣れてないので思わず照れてしまう。
こんなことで褒められるなら、家のことやっててよかった。
途中で干からびていた様子の龍先輩と夕先輩が潔子さんのエプロン姿を見て回復していく様子となぜかこちらを見て固まる飛雄と翔陽以外は特に変わったこともなく準備が終わった。
「とりあえず落ち着いたし、永瀬ちゃんも座って食べて。私は家にあるから」
『あ、はい!ありがとうございます!』
手渡されたカレーを持ってキョロキョロしていると、忠が手を招いている。
「永瀬ー!こっちこっち」
『おっけー』
とりあえず蛍と忠に挟まれる形で席に着く。