第5章 リベロとエース
試合開始10分前
「おーっす」
「悪いなお前ら急にきてもらって!」
「町内会って言うからもっとおっさんかと思ったのに・・・」
「俺もー」
試合前に来たのは烏養さんと同じくらいの人たち。
いくら町内会チームといえど、大人とやるかぁ、すごいなぁ。
ただやはり平日の夕方だとなかなか人数が集まらず、来てくれたのは4人。
烏養さんは、リベロとセッター、あとウィングスパイカーが足りないらしいが、リベロには部活動はしないと言っていた夕先輩が相手チームになら問題ないと言うことで入ることになった。
「あっ!アサヒさんだっ!!!」
「「!!」」
「アサヒさんっ」
「旭さぁーんっ!!?」
「ゲッ、またコイツ・・・」
翔陽の隣で窓から覗いてみると、ジャージ姿の旭先輩。
『旭せんぱぁーい!みんな待ってますよー』
「!!」
能天気にそんなことを言ってみる。
旭先輩だけでなく、体育館にいる孝史先輩や大地先輩まで驚いた顔をする。
あれ?みんな待ってたよね?余計なこと言ったかな?
その後烏養さんに見つかり強制的に町内会チームへ加わることになった。
残るはセッター。
孝史先輩が動き出す。
「スガさん!?・・・俺に譲るとかじゃないですよね」
「・・・」
「菅原さんが退いて俺が繰り上げ・・・みたいの、ゴメンですよ」
「・・・俺は、影山が入ってきて・・・正セッター争いしてやるって思ってる反面どっかで・・・、ほっとしてた気がする」
ぽつりぽつりと、思いを話し始める孝史先輩。
全てはきっと、旭先輩にまたトスを上げるための準備期間だったと思う。
今日ここで、烏野3年コンビが復活するかどうか、運命の分かれ道のような、そんな気がする。
「俺にもう一回トスを上げさせてくれ、旭」
「!」
「だから俺はこっちに入るよ影山。負けないからな」
「俺もっス」
「西谷、ナイスレシーブ頼むよ!」
「当然っす」
話がまとまり準備が始まる。
町内会チームといえど、烏野対決は見るのが初めてだ。
部員が足りなくてできる状態じゃなかったから。
楽しみだ!