第1章 始まりの日
『すー、はー』
普段から比較的明るめの性格をしてると思うし、なんとなく今までも友達は出来てたから大丈夫だとは思うけど、やっぱり最初って緊張する。
だから教室入り口の近くで軽い深呼吸中。
「!・・・女子?」
『???』
「あ、わり。教室入んねーの?」
なんか悪口みたいなこと言われたような気がしたけど、とりあえず振り返り視線を少し落とすと元気そうなオレンジ頭。
『あ、邪魔よね、ごめんごめん』
「俺!日向翔陽!おんなじクラスだよな!」
『あ、うん。あたしは鈴永瀬。まぁわかると思うけど女子ですよん』
「やっぱ聞こえてた?ごめん」
とりあえず自己紹介をすると申し訳なさそうにしゅんとする日向。
身長172センチのショートヘアスタイルは上だけ見たら男の子にも見えなくもないか。
『いいよいいよ、中学ん時からよく間違われてたし』
そう言ってとりあえず笑いかけてみる。
「!!!そ、か。でもやっぱりごめんな!とりあえず教室入ろうぜ!」
女子との会話に慣れてないのか、少し顔を赤くしながら教室のドアを開ける日向。
コロコロ表情が変わるこの人懐っこさは犬みたい。
日向(男に間違えるなんて!顔はめっちゃ美人じゃんか!!)
とりあえず話しやすそうな人がいて良かったと安心して教室へ入った。