第4章 練習試合
ーー月島蛍の気持ちーー
昔からそう。
人懐っこい方ですぐ友達が出来る。
中学に入ってからいきなりバッサリショートになったのは驚いたけど、周りに女子が増えただけで相変わらず友達が多かった。
どんなに友達が増えても、いっつも僕にくっついて来て。
最初はやかましいただの幼馴染。
でも成長するにつれてどんどん美人になっていく様は幼馴染として少しいい気分だ。
好きかと聞かれるとわからない。
いるのが当たり前だし、別にドキドキしたりとかもない。
でも高校に入って他の男とすぐに仲良くなるアイツにモヤモヤするのも事実。
小学生の時は男子に混じって遊んでてもなんともなった。
中学に入ってからは男友達よりも女友達に囲まれてる方が多かったからいつから僕にこんな感情が芽生えたかわからない。
なんでいきなり名前呼びなんだよ。
よりによって僕が嫌いなタイプのアイツら。
部活に入ってからどんどん湧いてくる自分の知らない感情に戸惑を隠せない気がする。
こんな風に振り回されるなんて、癪に障る。