第1章 死柄木弔
死柄木は、ベットの上で気持ちよさそうに眠る何も纏ってないの寝顔を見て小さく笑みをこぼしていた。
自分との身体のあちこちに出来た愛し合った痕が先程までの行為を一瞬で彷彿させる。
「愛してる、」
すやすやと眠る愛おしい彼女の額に張り付いた前髪を分けてやり、自分の唇を押し当てに布団を掛けてやると自室を後にした。
「お、ヤキモチリーダー帰ってきた。」
「お、ヤキモチリーダー椅子に座る。」
「うるせ」
アジトの共有スペースに戻ると、早速コンプレスと荼毘が死柄木に揶揄いを入れてきた。
何をするにも、ヤキモチリーダー○○をする、と揶揄われ実況のようにいちいち説明してくる2人に、死柄木も最初は反応を示したもののだんだんそれを指摘するのも億劫になり無視した。
「そーいえば!弔くんはちゃんから何もらったんですかぁ?」
トガがカウンターに座る死柄木にステップを踏みながら近づき質問した。
「あー、なんつったっけ。マ.....マカ...マカなんちゃら。」
「マカロンな。大事な彼女から貰ったモンくらい覚えときなさいよ。」
ソファに深く腰掛け、背もたれに両腕を大きく広げたコンプレスが指をパチンと鳴らし死柄木を指差した。
「あー、それそれ。マカロン。美味かったな。」
マカロンと聞いて目をキラキラさせたトガが楽しそうな口調で言った。
「弔くんッ!マカロンを好きな男の子に送る意味知ってますか?バレンタインって送るお菓子にそれぞれ意味が込められてるのですッ」
「トガちゃん物知りだな!アホだろ!」
「......意味?」
支離滅裂なトゥワイスを無視して、飲んでいたグラスを置きトガを見る死柄木。
「マカロンの意味はですねぇ、特別な人って意味なのです!」
トガのその言葉を聞いてフ、と声を漏らしここにいないを愛おしく思うかのように笑みを溢した死柄木。
しばらくして、眠そうな顔で再び共有スペースに姿を現したをまた自室に連れ込み朝まで愛し合ったのはまた別の話。
fin.