第3章 爆豪勝己
「ばくごー、彼女出来たんだし、暴言改めよー?ちゃん逃げちゃうよ?」
「悪ぃな!爆豪!学年末テストオレら成績やべーんだわ。ちゃんに勉強教えてもらおうと思って!」
「オレが教え殺したるわ......」
私の隣でケラケラ笑う上鳴くんと、顔の前で両手を合わせてる切島くん。そして私たち3人の目の前で、噛み締めた歯のあいだから怒りを露わにする爆豪くん。
『爆豪くん、勉強教えるくらいなら。ね?』
「チッ......がそう言うなら...」
私がそう言うと納得してくれたのか、ジャージのポッケに両手を突っ込みどすどす音を立てながらお手洗いに行った爆豪くん。
「やっぱ、あの猛獣手懐けられるのはちゃんだけだわー。」
『あ、そういえばどうして2人とも私の名前知ってたの?』
ずっと気になってたことを上鳴くんと切島くんに聞いてみた。
「なんでってそりゃあ、ばくごーのかっちゃん!アイツ移動教室のたびにちゃんのこと見てたんだぜ。」
「そーそー!彼氏でもねぇのに、スカート短すぎンだよアホが、とか言っちゃってよ!!そりゃあ、オレらも覚えるわ!」
『へ、へえ。そうなんだ。』
なんだか聞いちゃいけないことを聞いた気がするな......。
顔を真っ赤にした私と、爆豪くんのモノマネをした切島くんと、それをゲラゲラ笑う上鳴くんがトイレから戻り後ろに立っていた爆豪くんに怒られるまであと数秒。
fin.