第6章 紅色の邂逅 ◆
「昨日さ、俺……やばかった?」
「……んん?」
「いや、その……夢主、最後イったあとそのまま寝ちゃったからさ。無理させすぎたかなって…まぁ、俺は最高に気持ちよかったわけだけど」
言い終えた悟くんは、わずかに視線を逸らしながら、ふわりとはにかんだ。
「……身体、大丈夫?」
照れくさそうに口元をゆがめて、耳の先をうっすらと赤く染めている悟くん。
「……だいじょうぶだよ?むしろ……わたしも、すごく、気持ちよかった…です…」
恥ずかしくなった私は、シーツをぎゅっと握りしめた。
悟くんはふにゃっと目尻を緩めて、まるで世界で一番大切なものを見るような目で、私を見つめてくれる。
「そりゃあよかった♡」
そう言って、私の身体をふわりと抱き寄せる悟くん。
「あーー…夢主の抱き心地サイコー…」
「っふふ、悟くんもあったかい…」
その腕は、どこまでもやさしくて、あたたかくて、包まれるたびに全身がほどけてしまいそうになる。
そして、耳元にそっと息がかかるくらいの距離で、悟くんが囁いた。
「こうやって一緒に朝を迎えられるの……たまんねーな、マジで」
「ね…!しあわせだね…」
「うん、しあわせ」
柔らかな朝の光に包まれる中、ふたりでくすくすと笑い合った。