第1章 シンデレラ〜継母との確執
この日の夜に行動を開始しようとした私は階段をゆっくり降りてリビングとダイニングキッチンの防犯カメラを外した。
よし!防犯カメラを外すことに成功したわ!そう思って階段を登ろうとした時だった。
「そこで何をしてるんだい?」
継母の声が響く。トイレにでも起きたのだろうか?それならと私がトイレに行こうともしたけど鉢合わせたら大変なことになる。今は息を潜めて静かに様子を伺った。
「おかしいな?階段を降りる音がしたんだけど?トイレかい?ん?違うか。リビングかしら?」
継母がリビングに向かってソファーの下を覗き込んでる隙に私はそっと階段を駆け上がって屋根裏部屋に向かった。そして防犯カメラを鞄にしまうと鞄を抱いて寝たフリをした。
見つかったんじゃないか?そう思うと心臓の鼓動がドクドク言っていた。
階段の音がしてる気がする?寝ぼけて母が寝室に向かったのかな?これで寝られるわと私は瞳を閉じた。
翌朝、急かされながら朝食を食べて歯を磨くと佐伯さんの事務所に向かって車を走らせた。
「おはようございます!」
私が勢いよくドアを開けると佐伯さんも"おはようございます"と返してくれた。
「防犯カメラは持ってきましたか?」
「はい・・・。」
私は急いでいたので息切れがしていた。
「ご苦労様!今、お茶を淹れるからソファーに座っててください。防犯カメラを渡してくださいね。機械に設置してきます。映像を一緒に確認していきましょう。」
「ありがとうございます。実は昨日、継母にバレそうになりましたがなんとかやり過ごしました。」
「それは緊張しますよね。」
私は佐伯さんな防犯カメラを渡してソファーに座った。
ほっとした安心感と安堵の思いでいっぱいになり肩の力が抜ける。
佐伯さんがお茶を運んでくださり、飲みながら防犯カメラの解析を待つことにした。