第1章 シンデレラ〜継母との確執
私は継母に怪しまれないように適度に事務所に通って漫画を描いてお泊りました。1ヶ月も経つと漫画にコメントがつくようになりフォロワーも増えた。そして企業からの案件も増えて順調に進んで行った。
家では笑顔を作るとバレるので不満げな顔を作り家事や掃除をこなした。その都度、母から叩かれたり父から暴言を吐かれたりしたが!なんとか耐えた。
そしてこの日の夜。両親が寝静まった隙にそっとリビングに向かって懐中電灯の明かりをつけて防犯カメラを設置することに成功した。ダイニングキッチンにも防犯カメラを設置すると静かに階段を上がり屋根裏部屋に戻って行った。
ふふふっ、ばっちり撮れてるといいなぁ。
ーーーーー。
翌朝。私は何食わぬ顔で事務所に向かうと佐伯さんに防犯カメラを設置したことを報告した。
「すごいじゃないですか?あっ、そうそう。山田さんにこれからのことを話しておきたいんですけどね。もし、ご両親が警察に逮捕されるなら虐待やDVなどの罪で捕まることになります。その際に駄々を捏ねて裁判になりかねないんですけど、私が対応しますのでご安心ください。そして山田さんは病院の精神科に行かれてあれこれ診てもらった方がいいかもしれません。実は児童虐待を受けたことのある人が精神科に行ってADHDや後遺症などの症状が出てる人が過半数いました。」
佐伯さんはファイルを本棚から取り出して言った。
「なるほど。わかりました。」
私は頷く。
「警察に両親が逮捕されて山田さんと3人で話したいなどと言ってくるかもしれませんが全て弁護士の私を通してくださいね。LINEなどのやり取りもなさらないようにお願いします。でないとあることないこと言われたりしますからね。それにまた暴力を受ける可能性もあるので私は山田さんを守る義務があります。」
「わかりました。」
「警察にすぐに突き出してやりたい気持ちはわかりますが裁判になることも考えて準備を行っていきましょう。まずは防犯カメラを設置したのでいつも通りにやり過ごしてください。その方がいいのが撮れると思います。防犯カメラが故障しても中のマイクロチップだけ取り出せるようになってますのでご安心ください。まずはここからですね。」
「はい!」
私は頷いて漫画を描き始めた。
果たしてうまく行くのだろうか?