• テキストサイズ

現代版おとぎ話

第1章 シンデレラ〜継母との確執


私は幼い頃から夢に見ていたの。大きくなったら綺麗な花嫁さんになるんだと。

おとぎ話のシンデレラみたいに順風満帆な人生を歩むと思っていた。


私は山田みすゞ。地元の短大を卒業してから就活で掴んだ仕事に就いた。介護の道に進んだのだ。介護職員として現在は働いている。
20歳の時に短大を卒業と同時に就職が決まって介護の仕事に就いて早、5年。私は24歳になっていた。
周りの職場の男性は既婚者が多く結婚相手や彼氏としての出会いはほぼない。

「宮沢様、トイレに行きましょうか?」
介護の仕事の主は食事介助と排泄介助、ベッドへの離床や着床だ。あとは介助式車椅子の誘導、そしてお風呂介助も行う。

早番に遅番に夜勤にパソコン業務に日々、忙しくしていると恋愛する機会を逃してしまった。

「お疲れ様です。」
この日のパソコン業務を終えてパソコンをシャットダウンするとこの日、業務で一緒だった看護師の花村さんからこんな話を切り出された。

「お疲れ様です。山田さんって彼氏いるんでしたっけ?」
「それがまだで・・・高校生の時に付き合ったことはあるんですけど進路も違くて別れちゃってからいないですね。」
「そうなんですね。うちの職場ってそういう出会いないですもんね。たまに施設の利用者様から言い寄られることはありますけど。」
「そうですね。あはは。」
そんな話を交わす。言われてみればこの施設で婚期が訪れたなんてことはなかった。みんな新婚か子持ちのパパばかりだ。
「いい出会いってないかなぁ。マッチングアプリって怪しい気がして気が引けるし。」
私はため息をついた。
「確かに。それに今、コロナで合コンもやってないですもんね。」
花村さんが利用者様の薬を仕訳しながら頷く。
「なんでマッチングアプリを怪しんでるのかというと、ここだけの話なんですけどね。うちの父が昔、不倫してましてー。」
私はとんでもな話を切り出した。
「えー何それ??詳しく聞きたいです。それってお母さんがサレ妻的な?」
花村さんが嬉しそうに身を乗り出して言った。
「私はその頃のことは覚えてないんです。まだ小さかったので。本当は母も離婚したかったんでしょうけど、私のことがあって離婚できなかったみたいなんです。実は私、生まれつきの心臓病がありまして。今は手術して完治してるんですけど、離婚したら手術代とかかかるじゃないですか?」
/ 161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp