第8章 ブレーメンの音楽隊〜それぞれの過去と向き合った今
メンバー入りしてからの初日。短大終わりにメンバーと集まって話し合いを行なった。僕はコントラバス兼ベース担当になった。
そしてバンド名はJank boxとなった。
メンバーはボーカル&ギター:リーさん、コントラバス&ベース:の僕とコーラス&マラカス&タンバリンのアミカ、キーボード&ボーカル:ユウジ、エレキバイオリンのフローラはイタリア出身。トランペット&クラリネットがイギリス出身のブライアン。そしてドラムがアフリカ系アメリカ人のサムになった。
「よろしくお願いします。」
早速、メンバーと挨拶を交わして話し合いを行うべく近くの飲食店に入る。この日はメンバーと初めて夕食を食べながら話し合うことになった。
「みんな聞いてくれる?まずはインディーズで頑張って行こうと思うの。そこでカバー曲もいいけどオリジナル曲がいいんじゃないかと思って私、歌詞を書いてきたのよ。」
リーさんはそう言って1枚の紙を見せた。そこにはリーさんが書いたとされる歌詞が書いてあった。
「Game startかいいタイトルですね。」
僕がにこやかにそう言うとリーさんはこう言った。
「なんか私たちのこれからがゲームの始まりみたいに思えちゃってね。これでよければユウジに作曲を依頼しようと思ってるの。みんなはどう思う?」
「いいと思います。」
「賛成!」
みんなが口々にそう言うので意見がまとまった。
「できたらデモテープを持ってきますので各自練習しましょう。」
ユウジの言葉にフローラが手を挙げる。
「でもオリジナル曲となると楽譜がないから難しいんじゃない?」
「そこは自分たちで考えるのよ。だってカバー曲じゃバンド組んだ意味ないじゃない?」
リーさんの言葉も頷ける。
とりあえず僕らのデビュー曲に向けてのプロジェクトが進められることになった。