第7章 鶴の恩返し〜地元に貢献した8年間
私は淀河町で生まれてここで育った。町の人々もみんな優しくて学校生活も順風満帆に送っていた。
そして高校3年生になったある日。
「進路どうしようかな?」
私の名前は前田美晴。至って普通の高校3年生。みんなそろそろ進路を決めているよな。私は高校2年生の時に大学は行きたくなくて就職コースを選んだ。進学か就職かの2択で就職コースにしたのだ。
しかし、私なんかが地元の企業に務まるのだろうか?おっちょこちょいだしドジなとこあるしなー。そんな時に目に入ったのが地元を盛り上げる武将隊の応募チラシだった。
武将隊とは各地域に作られた町おこしのためのミュージカル集団のことである。歴史上の人物に扮した人たちが地元の特産や場所をPRたり、演劇や歌を披露するものだ。
うちの町ににもできるのかぁ。だったら入ってみようかな?元々、働くなら地元がいいと思った私は家に帰宅して両親に説得を試みた。
やりたいことがあるなら全力でやりなさい。でもすぐに諦めたらダメだと言われたけれど反対はされなかった。私は今週の休みの日に武将隊のオーディションを受けることになった。
オーディションでは歌唱力チェックやパフォーマンス、特技の披露があった。私は特技のミュージカルよりアニーのtomorrowを歌い、ダンスを披露した。元々子供ミュージカル劇団に入っていたこともあり歌やダンスは得意だった。そして1週間後に合格通知が届き、私が高校を卒業するタイミングで武将隊に入ることとなった。
武将隊の名前は戦国あっぱれ武将隊だ。
それからあれよあれよと学生生活も過ぎていき、私は無事に高校を卒業することができた。高校を出てアパートを借りて1人暮らしも始まった。遠くから通うより近くから通った方がいいなと思ったからだ。
いよいよ武将隊のキャリアが始まる。