五条悟に求愛されているのですが助けてください!❀R18❀
第3章 第三話 ❀ 困惑
カタカタカタカタカタ···。
夜遅い時間ともなれば、補助監督室にはの姿しかなかった。
本日の報告書を作成していると、不意に疲れを感じて椅子の背もたれに体重を預けて腕を上げて、グッと伸びをした所で左から伸びて来た別の腕にギョッとして振り向けば、そこには五条の姿があった。
「お疲れ様さま〜。それ、熱いから気を付けて」
机に置かれたマグカップからは、ココアの甘い香りが漂いゆらゆらと白い湯気が立っていた。
「五条さん···、乙骨くん、ありがとうございました」
五条を見ればマグカップを持っており、一口飲んでいた。
「んー、···」
五条は隣の席に座る事無く、ことりとマグカップを置くと、「頂きます」とココアを飲むに視線をやった。
ここ最近は疲れているのか、目の下にうっすらとクマを作っていた。
呪霊が出る繁忙期ともあり、情報収集から術師の送迎や資料作りやまとめたりと一日に何回も繰り返し、補助監督も術師同様に忙しい日々を送っていた。
「で、どう?僕がいれたココアは」
「とても甘いです。でも、ありがとうございます」
甘党の五条のいれるココアは、今も昔も変わらずに甘い物だった。
こうして五条は、学生時代から時折甘いココアをいれてくれていた。
それがなんだか嬉しくて、「ふふ」っと笑えば、「どうしたの?」と不思議そうに五条はに問いかけた。
「いえ、五条さんて学生時代から変わらないなぁ···と思ったら」
「え、それどう言う意味?僕、昔よりは遥かにナイスガイになったでしょっ!」
「いえいえ、そうじゃなくて···テストの勉強の時とか、仕事中だったりとか、私が疲れた時は甘い物をこうしてたまにいれてくれていたなぁ、と、思い出して」