五条悟に求愛されているのですが助けてください!❀R18❀
第3章 第三話 ❀ 困惑
「乙骨くん、資料は頭の中にしっかり入ってる?」
「はい!」
「わかった。それじゃあ、行ってらっしゃい。気をつけて」
目的地である山のふもとまで車を走らせれば、辺りは薄暗くなり始め、重たく湿り気を帯びた空気が漂うような不気味な空気が漂っていた。
乙骨から預けていたタブレットを受け取り、も車から降りた。
呪霊が出ると言う山道の入口で、は帳を降ろす。
「闇より出でて闇より黒く その穢れを禊ぎ祓え」
これは一般人に見られないようにする為の物であると知りながらも、この雰囲気の中では更に暗く感じる帳。
乙骨を見れば慣れて来たとは言え、まだまだ慣れない事もあるだろう。
少し、不安そうな顔をしている。
「乙骨くん、お守り···って言っても効果は一度きり。どんな階級の呪霊からも、一度だけは相手の攻撃を跳ね返してくれる、式神みたいな物かな?」
と、言いながらが手のひらを合わせると、そこには白く光る蝶がヒラヒラと現れ、乙骨の肩に止まった。
「なるほど。乙骨くんは白なんだ···」
「え?···これは」
乙骨は不思議そうに蝶を見た。
「相手に付ける人によって、色が変わるの。不思議でしょ?さ、これでひとまずは大丈夫だから、気をつけて行ってらっしゃい」
「はい」
「あと、これだけは忘れないで欲しい。無理だと感じたら迷わず逃げる事。約束だよ」
は、ポンッと乙骨の背中を押して、その背中を見送った。