第13章 あきらめない
暫く、
骨壷の中でぶつかり合う骨の音を聞きながら
無心で歩いていると……
"ズルッ"
「!!」
足場が悪い森を灯りなしで歩くのは
やっぱり無謀だったようで、
岩に生えた苔で足を滑らせ
持っていた骨壷は宙に舞い……
私は派手に転び激痛でその場から動けなくなりました。
(私って…きっと神様に嫌われているのね……
逃げることも許されないなんて……)
「ンッ……」
痛みを堪え、
状況を確認するだけ少し身体を動かすと…
1メートルほど先に父と母の骨壷の蓋が開き
骨が散らばっているのがみえました。
「綺麗…」
ちょうど月の灯りが少しだけ木々の合間から漏れている
場所だったので、
骨が月光に照らされてキラキラ綺麗に見えて…
私は目を奪われてしまいました。
「…もう…ここでいい……
ここで家族3人で暮らそう……」