第2章 青く澄んだ空【五条悟・高専編】
『悟…
悟はさ、小さい頃から五条家の当主としての期待とか、呪術界からの重圧とか色々なものを背負って、こうしなきゃいけないとか、こうあるべきだとか、色々考えて生活してきたと思うんだ。
けど…傑や硝子や私の前ではさ、ただの五条悟でいてよ。
呪術界の特別な存在である前に、普通の高校生なんだから。
私達にとってかけがえのない、大切な仲間なんだから……』
ハっとして目が覚める。
時計の針は…3時を指している。
外はまだ真っ暗だ。
嫌な汗が額に浮かぶ。
1年の時、雫との何気ない会話の中で、この言葉をかけられて以降間違いなく俺は雫を意識し始めた。
自分にまとわりついた、ありとあらゆる肩書きを一瞬忘れ、少し…気持ちが楽になったような気がしたからだ。
だがしばらくして、雫は傑と付き合うことになった。
何で…とは思ったが、傑は親友だ。
すぐに2人を見守る方向にシフトした。
あれから約2年……
傑が俺達の前から姿を消して、1週間が経った。