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【呪術廻戦】甘く愛される短編集《R18》

第5章 トライアングルのち…【虎杖悠仁&伏黒恵・高専編】



side 五条


「…で?京都の事は雫に言ったのか?」

医務室に顔を出すや否や、硝子が僕にそう聞いた。
流石、情報早いね。


「言ったよ。前向きだった。」

んー、と伸びをしながら椅子に座ると、足を組んで背もたれに寄りかかった。

「いいのか?」

「ん?何が?」

「すぐには会える距離だけど、離れる事になるじゃないか。物理的に。」

「大丈夫、大丈夫。すぐ妊娠するから。」


コーヒー淹れて、と促すように手を伸ばすと、硝子は大きなため息をつきながらインスタントコーヒーに手を伸ばした。

「お前なぁ…雫の了承は得てるいるのか?」

「ははっ。了承は得てないけど、一緒にいたいって言われたよ。それって要はそういう事でしょ?」

「違うだろ全然…」


硝子に手渡されたコーヒーを見つめながら言った。

「仕方ないでしょ、京都に編入したら卒業したって戻れない。
最初は雫が京都から出る時は死ぬ時だって言ってたけど、上手に言いくるめたら妊娠した時、ってのも追加してくれたんだよね。」

おじいちゃんとこや呪術連、色んなとこまわって時間かかっちゃったー、と言うと硝子も椅子に座り、トントンと指先で机を叩いた。


「誰だったんだろうな、チクったの…」

「まぁ、古いからねー、考え方が基本的に。
大方、窓か補助監督の中に学生の風紀を探る役割の奴がいたんだろうね。うるさいから、意外にそういうの。」


「で、妊娠させるのか…
相変わらずの自分中心クソ野郎だな。」


「ふっ…何言われたって構わないさ。」


僕もう行くね。
そう言って半分以上残ったコーヒーを机に置くと、硝子を見ずに言った。


「雫にはもうさ、僕以外頼ってほしくないんだ。僕が守るよ、雫も。雫の人生も。」


「…雫の気持ちをきちんと尊重しろよ。雫はお前の物じゃないんだからな。」


「わかってるよ…」


廊下を歩きながら空を見上げると、入道雲がくっきりと浮かんでいた。




"間違ってもやり直せる"

そうアイツに言っていたら…




「さてと…」




鼻歌を歌いながら、学生の寮を目指して軽い足取りで歩を進めた。









end,
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