第16章 結末
そうして彼らコウモリたちは、姉の提案で半ば強引に家に連れてきた。
最初は嫌がるかとも思ったけど、細かいことが気にならないぼんじゅうるから人懐っこいおらふくんを最初に、ドズルが徐々に受け入れ始め、MENなんて人や他の手乗りMOBそっちのけで建物や装飾品に興味を持ったところから僕らの家に慣れてきたみたいだった。
警戒心の強いおんりーも、他の手乗りMOBたちと交流する内に慣れてくれたみたいだ。今では毒蜘蛛やアイアンゴーレムから何やら教わって忍者ごっこなんてするようになった。
それに、姉から聞いた話だと、ぼんじゅうると呼んでいたコウモリには本名があるらしく、自分を見ている映像を僕に見せることが出来る不思議なコウモリなのだそうだ。
いつもは部屋でゴロゴロしているんだけれどもね。
そしてドズルは器用な手乗りMOBたちが作ったサウナにハマることになり、おらふくんは牛やラヴェジャーやウーパールーパーと仲良くなった。
僕が心配していたことはそんなに気にする程でもなかったみたいだ。
やがて、家にいるパンダがステーキを配り始めてコウモリたちもステーキを気に入った。次の心配は食費のことだが、そんなことよりイタズラ好きなブレイズと協力してエルダーガーディアンにちょっかいをかけるコウモリが出ないといいのだけれども……。
僕らの家には、たくさんのMOBがいる。僕が連れてきた五羽のコウモリたちを含めると、もう家にいるMOBは二十匹となる。
それでも僕たちは楽しくて幸せな日々を過ごしている。そして、夢への一歩も。
「ねぇみんな! 高校受かったよ!」
おしまい