第3章 ぼんMEN
そうしてドズルとさんだーの餌食になった最初の組が、この二人である。
「おい、どこだよここ!」
「ぼんさん、これはなんのイタズラです?」
アツクラ内では一番仲が悪いと言われている、ぼんじゅうることぼんさんと、おおはらMENことMENであった。
「俺のせいじゃないって……」
ぼんさんは必死に無罪を訴えるが、日頃の行動を振り返っただろうMENは疑いの目を向け続けている。
「じゃあなんですか、あそこに書いてあるのは」
とMENが指したのは部屋の入口の上に貼り出した、堂々と大きな文字。
「○○しないと出られない部屋……?」
文字をそのまんま読み上げたぼんさんが、首を傾げながらMENの方へゆっくりと見やる。
MENはずっと、眉間にシワが寄ったままだ。
「ええっ?! MENと?! こんなところで○○しなきゃここから出られないの?!」
ことの重大さに気付いたぼんさんが、遅れてリアクションをする。それからみるみる内にぼんさんの顔から血の気が引いていった。
「なんで寄りによってMENなんだよ……」
「それはこっちのセリフですけど?!」
肩を落とすぼんさんに、MENは怒り混じりにそう言い返す。
とりあえずまずはと、二人は落ち着いて周りを探索し始めた。だが、よくある誰かの部屋という感じで脱出口になるものが見つからない。ただ、出口の上に書いてある文字と、真ん中にある意味深そうなカレーライスを除いては……。
「なかなかいい内装だが、一つだけおかしな点がある」
改まった口調で切り出したのはMENだ。その言葉にぼんさんも同意を示すように頷いた。
「そうだな……」そしてぼんさんは真ん中のテーブルへ視線を向けた。「なんでこんなところにカレーライスがあるのか……」