第5章 デートくらい出来ます
「……おかえり……。」
「……ただいま……。」
しずくは帰って来ると、スッとリビングを通って自分の部屋に向かった。
チラッと悟は時間を確かめる。
(…夕食を食べて帰って来た位の時間か…。)
悟はスクッとソファから腰を上げた。
さて、やっぱり自分の奥さんがどんな初デートをして来たのか気になる。
悟はしずくを追いかける様にしずくの部屋に向かった。
「しずく。」
呼びかけと同時にドアを開ける。
しずくは既に着替えの途中だった。
やっぱり着飾った姿は悟に見せる為では無いらしい。
せっかく珍しくアクセサリーもしていたのに、すぐに取ってしまった様だ。
しずくはチラッと悟を見たが、気にせずにすぐに部屋着に着替える。
それには少しムッした。
(少し位僕にも着飾った姿を見せてくれてもいいのに…。)