第5章 デートくらい出来ます
「しずくってデート出来るの?」
「💢…。」
恋愛も満足にしてこないで、悟と結婚したのだ。
勿論悟はしずくと2人で出掛けた事なんて無い。
「デートくらい出来ます。」
キッと悟を睨んでしずくは言った。
「……ふーん…頑張って…。」
悟はスマホをいじって、興味無さそうに言った。
だったら初めから話しかけてこないで。
そう思いながらしずくは部屋を出て行った。
「……………。」
しずくが部屋を出て行った後、悟はスマホをスッと下ろした。
流石にこの出会いを邪魔する気は無かった。
だってしずくは絶対に面食いだ。
悟の顔に見惚れていた10年前のしずくを思い出す。
そして結婚してもこの10年間、しずくは何だかんだ悟の顔は気に入っていると。
悟は自負している。
そしてしずくが今日会う相手は。
写真では爽やかそうでも。
会ったら決して美形の類では無いと確信している。