第4章 あなただけは絶対に嫌なんです
「…………………。」
気が付いたら手錠は外されていて、部屋に他人の気配は無かった。
「っ…痛っ……。」
しずくは手を動かそうとして、腕に鈍い痛みを感じた。
拘束されて随分と腕を振っていた様だ。
ズキズキとする痛みに、しずくはゆっくりと腕を動かす。
目隠しを取ると、やはり部屋には誰も居ない。
どれだけ気を失っていたのだろうか。
しずくはゆっくりと体を起こした。
「……はぁ………。」
しずくは体を丸めて頭を抱えながら、先程まで行われていた行為を思い返していた。
(……何を考えてるんだろう…あの馬鹿夫は……。)