第3章 今夜不貞を働きます
「……ん……。」
目隠しをしているせいだろうか。
胸に触れただけで、しずくが声を漏らす事なんて無かった。
物凄くエロい下着に身を包めて。
目隠しをしているデメリットはあるのに。
体を鑑賞するだけでも極上の女が目の前に居る。
それこそ、見慣れた自分の妻の体のはずだ。
たった一雫。
しずくから声が漏れただけで、悟の感情は昂った。
そこで初めて悟も気が付いた。
自分も今までしずくとの情欲に満足した事など無かったと。
そして同時に湧き上がるしずくへの憤り。
何故自分にその声を聞かせなかったのか。
何故自分に………。
その表情を見せる事は無かったのか。
確かな期待に紅潮した頬で悟を見上げるしずくに。
悟は確かに憤りを感じた。
グッとしずくの胸を卑猥な下着を掴んだ。
優しい手つきとはかけはられているその行為にすら、しずくは期待をしていた。