第15章 最終章
悟は目を薄っすら開けて、抱き締めているしずくに、もう一つ命がある事を実感した。
ああ…愛おしいってこんな気持ちだったのか。
しずくだけじゃ無い。
大切な者が増えていって、家族になる。
それはこんなにも、満たされる気持ちだったのか。
「…しずく、好き、愛してる……。」
そう言ってしずくにキスをする。
「……それはプレイ?」
悪戯っぽくしずくが笑って言った。
「…分からない……でも今は、こうしたいんだ…。」
たくさんキスを繰り返して、愛していると囁きたい。
ずっと、こんな幸せの中で。
誰もが小説の終わり方は陳腐な言葉で締めくくると思うだろう。
だけど私は、そうとは分かっていても、これ以上の言葉は思い浮かばなかった。
愛おしそうに抱き合う2人は。
その後も変わらず。
ずっと幸せに過ごしました。
ー完ー