第13章 本当に僕の事分かって無いね!
いつも逃げる様に反るしずくの体を、腕の中に収める。
「しずく。」
しずくの中に収まりながら、しずくの体を抱きしめながら唇を這わせる。
全て自分のモノだった。
それなのにこの体は、甘い言葉とは裏腹に。
いつも悟を拒んでいる。
「っはっ…しずくっ。」
ソレが分かっているのに、体は…情欲はいつも目の前のしずくを求めている。
「……あっっ…悟っ……っ。」
情欲の渦は2人を包み込むのに。
「あっ…好き…っ悟…!」
夫婦の情事を快楽とすり替える2人の行為はハッキリと。
終わりを告げている。
こんなに気持ちいいのに。
求めているのは自分の妻なのに。
10年間無視し続けた自分の妻が。
悟を求めて愛を囁き、快楽に任せて腰を振っている。
許されない最後の言葉を呟きながら。
「あっ…悟っ!」
「はっ…しずくっ…。」