第3章 今夜不貞を働きます
しずくは出かける準備をして、大きくため息を吐いた。
今夜結婚して初めて悟以外の男に抱かれる。
ため息の中には、何故こんな馬鹿な事をしているなかと言う気持ちと、確かな期待もあった。
だけどしずくはもう後には引けない理由があった。
悟がしずくの体に触れる時、しずくの体は確かに悟の指や手に快楽を感じていた。
あんな適当な愛撫にすらこの体は慣らされて、悟に与えられるだけの刺激で疼きを逃がしていた。
悟が濡れたら辞めてしまう愛撫の先はどんなモノなのか。
敏感な所を舐められ満足いくまで指で弄られた場合の快楽はどんなモノなのか。
悟の適当な愛撫でも疼きを覚える様になった自分のこの体に嫌悪感すら覚えて。
とても屈辱的な気持ちが虚しかった。
誰かに教えてもらいたかった。
これは当たり前だと。
おかしく無い情欲なんだと。