第12章 お互いのパートナーを決めましょう
「お客様!」
再度声を掛けられる悟を見て、しずくはハッと我に返る。
「すみません!夫です!」
しずくはガタッと席を立って、悟の横に立った。
「「「?!」」」
あ…マズイ…言い方間違えた……。
奥さんが他の男性と楽しんで食事をしているのを、青い顔で見ている旦那。
まさに、不倫光景の修羅場を思わせる。
更に店内がザワつく。
「………すみません……、お店出ます……。」
しずくは顔を赤くして、それだけ呟いた。
しずくは店を出る準備をする。
顔色の悪い悟は、さっきから無言でただ立っている。
………コレはただ事じゃない。
仕方無い、七海の為に取った部屋に悟を連れて行こう。
「…私も着いて行きます。」
用意を終えたしずくに七海は言った。
「……お願い……。」
万が一、途中で悟が倒れたら、1人では何も出来なかった。